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土木屋さんのノート

土木工学は英語では「シビルエンジニアリング」と言いますが、それを日本語に訳すならば「民生工学」と言った方が適切であるという意見が多くなりました。土木屋さんには物づくりに関わる技術だけでなく、社会が求めているものや動向を適切に捉えていく知識も求められる時代となっているようです。学の世界では、若者の「土木」離れや社会が求めている要求に対処するために、土木工学科と呼ぶ学科はめっきり減りました。社会の要請は大変変化してきておりますが、変わらずに土木の分野に関わっているものが、「地盤・土」です。

 

これが「意外とわからない」「土は難しい」という意見をよく耳にします。私も三十年来、土に係わってきましたが、未だに分からないことが多く、手探り状態で仕事をしているのが正直なところです。専門書など初めは調子よく読んでいくのですが、詳しく掘り下げていこうとすると、よく理解できないまま結局振り出しに戻ってしまうことがあります。何となく書いてあることを丸覚えのようにして、問題の解決に当たってしまうのです。残念というか、変な劣等感を感じ、「もやもや感」を持ったまま仕事をこなしています。ですが、我々現場に身を置く技術屋は詳細な理論を完全に理解しなくとも、その概要を知り、使い方を間違えなければ良いのです。ただ、自分なりに理論の中身や問題点を捉えてしまい、理解せずに適用することは避けなければなりません。

 

私事ですが、幼少のころから不勉強で、小、中、高校と勉強をしたりノートをとったという記憶はほとんどありません。大学では若干勉強的なことはしたのですが、その頃にはコピーというものが登場し、ノートは他人様の写しでした。社会に出てからも、時折不勉強さを痛切に感じながら、適当にやってこられた部分はありました。学生時代に比べると多少は勉強するようになりましたが。

 

というわけで、人生の中で一度くらい自分なりにノートを作ってみようと思い立ち、筆を取りました(いや、キーボードを叩くことにしました)。私は現場で叩き上げられただけの人間で、土質工学・力学の難しいことは分かりませんが、技術屋として知っておきたいと思われる事項を取り上げて、簡単にまとめてみたいと思います。このノートが土木に携わる方々の土に関する理解の手助けとなるとは到底思いませんが、この程度の奴でも何とか四苦八苦しながら技術屋としてやってきましたので、反面教師的な意味でお役に立てば幸いと思っています。

 

 

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日高久芳

(技術士 建設部門)

土木屋さんのノート(PDF形式)